『守るべきもの』
2016-01-30 Sat 13:31
カテリーナはじっと見つめていた。
彼女の視線の先には、ベッドの中で眠っているジョージがいた。
彼女はいる時にはいつもこうして彼が眠るまで物語を聞かせていた。
カテリーナはそっと髪を撫で、額にキスをすると離れた。
そして彼を起こさぬように出て行くと、ドアを閉めた。

階下の居間には夫のジュゼッペがソファに腰掛けていたが、その表情は堅く何かを考えているようだった。
カテリーナは彼のそばにくると、隣に座った。
しばらく黙っていた2人だったが、ジュゼッペが口を開いた。
「あいつは何か大きな事を考えている気がする」
カテリーナは彼を見つめた。
「・・それもこの世を変えてやろうと思っているような気がしてならないんだ」
「それもあの人の後ろには誰かいるわ」
彼女はこちらを向いたジュゼッペを見た。
「きっと指示している人物がね」
「そうかもな・・」
「それと」彼女は言った。「ちょっと気になる事があるのよ。探ってみようと思うの」
ジュゼッペはうなづいた。
「気をつけろよ」
「大丈夫よ」

デブルスター集団の訓練はさながら軍隊のようだ。
爆弾や飛び道具はもちろんの事、ロープの縛り方や火の扱い方、そして気配を消して侵入するなど、忍者のような動きをも思わせる。
そんな彼女らの間を歩き、一人一人の動きを見て指示していたカテリーナはふとある一点をじっと見た。
長い金髪を片方に垂らし、コートを羽織って腕組みをして立っている。
カテリーナが近づくと、その女はふんと笑い、言った。
「この者達の動きはどうだ」
「はい、上手くいっております。とても息が合ってまいりました。前より見違えるほどでございます」
女の目は鋭く、蛇を思わせるような冷たい光を放っている。そして何よりも頭脳明晰をうかがわせ、全く隙を与えない。
カテリーナはこの女に目をつけられたら終わりだ、と実感した。
「よかろう。お前はなかなか良い指揮官だ。カッツェ様も一目置いておられる」
「ありがとうございます」
「私も全てに置いてお前に一任している。頼んだぞ」
「はい」
金髪の女は背中を向け、部屋を出て行った。カテリーナはそっと彼女の後を追った。
女はエレベータで上に上ったが、カテリーナは持ち前の俊足で階段を駆け上がり、エレベータを追いかけた。
女を乗せたエレベータは最上階に止まった。そしてそのまま奥まった部屋へ歩いて中へ入った。
カテリーナはそっと伺い、そしてこう言った。
「・・・あの部屋は・・・やはりカッツェのー」
彼女はドアが開いたので身を隠した。
女はじっとどこかを見ると、不敵な笑みを浮かべた。

幹部たちはある広間に整列した。カッツェからの招集が掛かり、指示を仰ぐためだ。
カッツェは総裁Xからの指令に基づき、幹部らに的確に指示を出した。
誰もが彼(ら)に誠実であり、何の疑いもなく命令に従っていた。ので、それぞれの部署へと散り散りになり、これから部下へ伝えるのだ。
そんな時だ。戻ろうとしたジュゼッペのところにカッツェがやってきた。
「ジュゼッペ・アサクラ」
「はい」
「部下どもの動きに変わりはないだろうな」
「ええ」
「もしも、おかしなマネをする者がいたら報告しろ。その時には考えがある」
「承知してございます」
カッツェは少し置いてこう続けた。
「時に・・ジュゼッペよ」
「は」
「お前の息子ジョージだが・・いくつになった」
「・・・あと1週間で5歳になります」
「そうか。しかし、兵士になるのに幼すぎることはない。もっと小さくとも可能だ。今から鍛えれば最強の兵士に育つであろう」
「・・・・・・」
「どうした。嫌か?だが、我がギャラクターの血筋に生まれた者がいずれ辿る道だ。しかもジョージは2人分の血を受け継いでいる。これ以上の適材はない。」
カッツェはなおも視線を逸らしているジュゼッペを覗き込むように見た。
「そうではないか?」
カッツェはふふと笑った。
「楽しみだな」
そしてマントを翻し、その場を立ち去った。
ジュゼッペは顔を上げ、じっとカッツェの背中を睨むように見つけた。


台所では何かを煮込んでいるカテリーナがいた。そして彼女の周りではジョージがうろうろして懸命に彼女に話しかけている。彼にはカテリーナの作る料理が何だか知りたいのだ。
「ママー、ねー、それなあに?」
「レンズ豆のスープよ。危ないから近づいちゃダメよ」
「ねえ、ボクもやりたいー」
「ええ?」
ジョージはかき混ぜてみたいのだろうか。きっと何か起きるのかと思っているのかもしれない。
カテリーナはジョージを抱き上げた。
「あら、ジョージ、随分重たくなったのね。ママ、腕が痛くなっちゃうわ」
それでも彼女はへらをジョージの小さな手に握らせてやらせてみた。
「よーくかき混ぜてね」
カテリーナはやがて火を止めた。
「はい、おしまい。ジョージのおかげで早く出来上がったわ。それじゃ、お皿を並べてちょうだい」
ジョージは降ろされると、小さなお皿を持ってテーブルの上に並べた。まだ小さいので、軽めのプラ皿しか持たせてくれなかったが、それでもジョージは満足したようだ。
そして彼はテーブルの上にあるものをめざとく見つけ、1つつまんだ。
「こら、ダメよ」
カテリーナはジョージの頭を軽く叩いた。ジョージは口をもぐもぐさせながら、ごまかすように笑った。
ジュゼッペはさきほどからじっとそんなジョージを見つめていた。
そして彼のそばにくると、しゃがんで彼を抱きしめた。
「ジョージ」
ジョージは突然の事に目をパチパチさせた。
「パパー、苦しいよー」
ジョージはもがこうとしたが、ジュゼッペは何も言わず、ずっと抱きしめたまま目を閉じて動かない。
そんな彼の様子を見つめたカテリーナは険しい顔つきになった。
きっとカッツェがジョージに目をつけてきたのだ。
彼女はぐっと拳を握った。

『いずれは”最高幹部”となり、さらに組織の中枢として働く事になる。お前達夫婦に与えられた名誉ある勲章だ。
お前達には最高の将来が約束されよう』
(違う!)
カテリーナは心の中で叫んだ。
(私たちの望みは、守るものは、そんな名誉とかそんなのじゃない)
彼女は幼い息子とそれを抱く夫を見つめた。
恐らく彼も同じ気持ちだろう。
自分たちが守るべきものは、何者にも替える事の出来ない、大切なこの子だ。
絶対に守らなくては。
あいつの思い通りにはいかせない。

カテリーナは2人をそのままにして台所に戻った。




                     ー 完 ー
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待たせたぜ
2016-01-29 Fri 19:32
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ゴキ○リだぜ。だが鉄獣はないぜ(っていつもないか)、安心しな。

つーわけで、今日は12話のイブクロンです。
こんな時にはやはりいい男のキャプチャがあると救われますね。
イブクロンの中でジュンと甚平に再会したジョーと健ちゃん。彼らが捕まっているのにとても余裕綽々です。

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おまけにジョーはこんなに倒れるくらいの素敵で不敵な笑顔を浮かべて健を見つめる・・・。

うーん、私てっきりアイコンタクトしていると思ってたけど、違ったわ。健ちゃん、せっかくジョーが見つめているっていうのに、横向いているし。
まだそこまでの仲になってないってことかしら。

でもジョーが少しずつ健ちゃんに向き始めたってわけで喜ばしい事です。
ちょっとずつジョーの活躍が見られるようになって嬉しいですな。
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ぎごちないけど
2016-01-28 Thu 20:08
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#11「謎のレッド・インパルス」から。
ここまできてもまだ健とジョーの2人はただの同僚という感じではありますが、まだ自分の立場(サブリーダー)というものを意識してないものの、ジョーはちゃんとリーダーを見て冷静に状況を見ている感じがあります。

くそ、護衛ばかりでつまらねえ、と愚痴るジョーと何か起きないかなあという甚平。
そんな彼らの前ですましてる健ちゃんですが、心の中では何か起きないかワクワクしてたりしてね(爆)


にしても・・息子をからかってしょーもない親父ですね。


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えーと、一応「健とジョー」のくくりではありますが、ここはジョーファンのところなので・・

護衛の文句を垂れているジョーくんの素敵なお顔でお別れです。
早く健ちゃんとのかっちょいいツーショットが撮りたいわ♡
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ジョーくんのプチイタリア語<9>
2016-01-27 Wed 18:14
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Ciao ! Come stai ?

今日は、「ci + essereの構文」の話だよ。

以前に、essere について話したけど、これはイタリア語で一番使われる動詞(英語のBe動詞)だったね。

副詞の ci (チ)は英語のthere「そこに」に相当していて、essereと合わさると、

「〜があります」「います」という意味になるんだよ。


    c'è (チェ)+ 単数形        ci sono(チ ソノ)+ 複数形


C'è un tavolo in cucina.( チェ  ウン  ターヴォロ  イン  クチーナ )
  キッチンにテーブルが1つあります。


Ci sono sei studenti in aula.( チ  ソノ  セイ  ストゥデンティ  イナーウラ )
  教室に学生が6人います。

  in は前置詞で、「〜の中に」。次に母音が続く時は、例のように結合して発音します。



<疑問詞と答え方>


  C'è un bagno qui ?( チェ  ウン  バンニョ  クイ ?)
  ここにトイレはありますか?

  *qui は「ここ」と近場を指す副詞。


 Sì , c'è . / No, non c'è .( スィ、 チェ / ノ、 ノン  チェ )
  はい、あります。/いいえ、ありません。 *単数の場合



Ci sono treni per Milano ?( チ  ソノ  トレーニ  ペル  ミラーノ?)
  ミラノ行きの電車はありますか?

  *treni のように、冠詞なしの複数形にすると、「いくつか」という意味になります。

  *per は前置詞で「〜へ、〜行きの」。


Sì, ci sono. / No, non ci sono.( スィ、 チ  ソノ / ノ、 ノン チ ソノ )
  はい、あります。 / いいえ、ありません。   *複数の場合



<否定形>


Non c'è un bagno qui.( ノン  チェ  ウン  バンニョ  クイ )
  ここにトレイはありません。



今日はここまで。次回は名詞の最後「定冠詞」だよ。

それじゃあまたね。

A presto !

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今日のお題「マント/手袋/命」
2016-01-25 Mon 17:46


この大きなマント

鳥のように空を舞う事ができるし

水や弾丸をも弾き飛ばす


そして手袋

どんなに熱いものや冷たいもの

そしていかなる衝撃にも耐えられる


みな変身する者の命を守っている

科学の力ってすごいよな

やっぱり悪事に使ってはいけないよな



   キサラさんの今日のお題は『マント/手袋/命』です。 http://shindanmaker.com/313623


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「閃光」
2016-01-23 Sat 10:24
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今年初めての本格的なイラストになりますでしょうか。
久々に真面目にお仕事するジョーを描きました。

Photoshopには「ブラシ」というのがあるのですが、ネットで様々なブラシをダウンロードすることが出来ます。
それを取り込み、使えるようにするもので、以前アルフォンス・ミュシャ風に使用した「羽根」もブラシです。

今回のイラストではバックに何か欲しいなあと思い、光がいいのではと選んでみました。
これはその名の通り「光線」というブラシです。
このようなものを利用すると私の絵でも立派に見えるから不思議です(爆)

これからも色々なものに挑戦していきたいと思います。
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子はかすがい?
2016-01-22 Fri 19:33
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#10「地底怪獣大戦争」からの1シーン。
マンモスアリを倒す忍者隊でしたが、数多くのロボットアリたちを倒して戦い易くしてくれたのは深紅の機体、レッド・インパルスの親父さんたちでした。

で、甚平がオイラ達でやっつけられたのに、と言ってジョーが「負け惜しみはよせ」と彼の頭にポンと手を載せるシーンがありますが、今回はその前の、ちょうど甚平が”負け惜しみ”の台詞を言っているところです。
そんな彼をじっと見つめるジョー。何でしょう、この穏やかなお顔は。目は細めていませんが、明らかに甚平を微笑ましく見守っているようですね。

甚平は一番小さいし幼いですが、やる事はやるし、しっかり者です。
で、ともすればいろんな考え等で衝突しがちなメンバーの中にいて周りの調整役、という感じがします。それにメンバーにとって癒しの存在でもあるし。

「子はかすがい」とよく言いますが、この場合も甚平は他の4人の「かすがい」役となって上手く働いている気がします。

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『どこかで響いた銃声』
2016-01-21 Thu 20:16


いつからだっただろう

このエアガンが俺の武器になったのは


思えば、あの乾いた銃声が俺の人生を変えた

あれ以来、銃声を聞く度にあの記憶が蘇り

身体が震え、冷や汗が出た

あの音を聞くのがとても怖くて悲しかったのに


俺はこれを相手に向けるようになった


多分、あの恐怖と怒りが

晴らせると思ったのだろう




     貴方はコンドルのジョーで『どこかで響いた銃声』をお題にして140文字SSを書いてください。
     https://shindanmaker.com/375517
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ジョーくんのプチイタリア語<8>
2016-01-19 Tue 18:21
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Ciao ! 
左手に見える白いものは、雪だよ。いきなりドカ雪なんでびっくりするよね。

さて、今日は、前回の答え合わせからだよ。問題は「男性名詞と女性名詞に分けなさい」というものだったね。


<解答>  男性名詞: pomodoro, pesce, prosciutto

      女性名詞: arancia, mela, pera


出来たかな?語尾が-eで終るものは、どちらなのか難しいけど、今回は
-a で終る女性名詞が3つあるので、男性名詞になる、というのが分かったから良かったかもね。


さて、今日は「不定冠詞」と「複数形」だよ。


不定冠詞は、英語のaに相当するもの。「何か1つ」という意味になるんだよ。

そして、男性名詞の前なら、un(ウン)、女性名詞は、una(ウナ)を付けるんだよ。



   un ragazzo(ウン ラガッツォ)男の子    una ragazza(ウナ ラガッツァ)女の子

   un cappuccino(ウン カップッチーノ)  una pizza(ウナ ピッツァ)

   un fiore(ウン フィオーレ)花      una chiave(ウナ キアーヴェ)鍵


  カプチーノを1つください。
   Un cappuccino, per favore.(ウノ カップッチーノ、ベル ファヴォーレ)

     *per favore :どうか、お願いします と頼む言い方


<複数形>


  男性単数 -o →  複数 -i   女性単数 -a →  複数 -e


   un libro(ウン リーブロ)  →  due libli(デュエ リーブリ)
    1冊の本              2冊の本


   una borsa(ウナ ボルサ)  →  due borse(デュエ ボルセ)
    1つの鞄              2つの鞄


そして、語尾が -e で終るものは、複数は -i になります。



 最後に、数詞0〜10までの言い方を紹介するね。


  0  zoro(ゼロ)  1  uno(ウノ)  2  due(デュエ)

  3  tre(トレ)   4  quattro(クゥアットロ) 

  5  cinque(チンクエ) 6  sei(セイ) 7  sette(セッテ)

  8  otto(オット)  9  nove(ノーヴェ)

  10  dieci(ディエーチ)

それじゃまた次回に会おうね。

  Ci vediamo !


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『縁のない話』
2016-01-18 Mon 18:11
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ひゃあ、すごい景色だ

真っ白だぜ

朝起きたらこうだもんな、驚いたな

俺の生まれた島は年中温暖で雨くらいは降ってたけど

こんな雪なんて縁のない話だと思ってた


こうして眺めている分にはいいもんだな

白くて無垢な感じで


心もずっとこう清らかでいたいもんだな




   貴方はコンドルのジョーで『縁のない話』をお題にして140文字SSを書いてください。
    http://shindanmaker.com/375517


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