『還らぬ友へ』
2016-03-13 Sun 12:46
ジョーは目を覚ました。
真っ白い部屋の中。横の大きな窓から光が差し込んでいる。
目が慣れると辺りを見渡した。そして自分がベッドに寝かされているのが分かった。病室だ。
「いたっ」
彼は身体を動かしたが痛みが走ったので顔をしかめた。
自分の腕には包帯が巻かれている。脚も固定されているようだ。
そうか、あの時気を失ってあのまま眠ってしまったんだ。
ひたすら気力を保とうと必死で身体のことなんて考えてなかった。
そこへドアが開き、白衣の男性が入って来た。
「ああ、良かった」
彼はジョーを見るとほっとしたように近づいた。
「3日も眠り続けていたので、心配しました」
「・・みんなは?」
「(ああ、という表情をする)あなたを連れて来られた方々は既に姿を消していましたよ」
バードスタイルでいたのですぐに去ったのだな。
ジョーは起き上がろうとしたが、医師の男性は彼を止めた。
「ああ、起きてはいけませんよ。しばらく安静です」
「しばらくっていつまでだ?俺は戻らなくてはならないんだ」
「そんな身体では無理ですよ。一週間入院してください」
「・・一週間?」
医師が出て行くと、ジョーは無理矢理身体を起こした。片腕にギブスをはめられて不自由この上ない。
「・・・くそっ」
彼はしばらくそのままじっと考えた。
ジョーの脳裏には幼い頃の自分と友人だった彼の思い出が浮かんでいた。
狭い路地を駆け回り、屋台の間を走り回って遊びの場所にしていたから大人によく叱られたりしたが、今となってはいい思い出だ。
彼の両親はひとりぼっちで留守番することの多かったジョーにとてもよくしてくれた。まるで自分たちの子供のように可愛がってくれた。
彼は大事な友人だ。彼との最後のお別れをしたい。
ジョーはリハビリを積極的にこなし、一週間を短縮させて3日で帰れるようになった。

ジョーは小高い丘に上がった。土地勘のある彼は知っていたのだ。ここからあの教会がよく見えるということを。
遥か遠くにゴッドフェニックスが停まっているのが見える。
そんなとき、教会の鐘の音が響きだした。
「・・・終ったのか」
ジョーは立ち止まり、やってくる健たちをちらと見やってその場に腰掛けた。
もうすぐ棺に入れられみなに送られるようにアランが出てくるだろう。友人の姿を見ることが出来て良かった。
ジョーは静かに息を吐き、うつむいて目を閉じた。

アラン、俺もきっとお前のところへ行くからな。
俺は・・お前に許してくれとは言わない、その時に俺を殴るなり好きにしてくれ。
その時にはギャラクターは滅んでいる筈さ。いや、必ず滅ぼしてみせる。
だから待っててくれよな。
きっとだぜ。


   
ー 完 ー


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