『いたずらしちゃうぞ!』
2013-10-31 Thu 18:19
森の奥にあるトレーラーハウスに近づく人影があった。
それは頭からすっぽりとフード付きマントで覆った、子供らしき人物だった。
そしてその子はドアの前で立ち止まるとコンコン、と叩いた。
中にいたジョーはドアを開けて、そこに立つ黒ずくめの”物体”を見た。
そいつは、手を広げ、こう叫んだー。
「トリック・・・・えっと・・・」
「トリック・オア・トリート、だろ。」
「あ、そうそう、それそれ!」
ジョーは笑って奥へ引っ込むと、包みを手にして戻って来た。そしてそれを
放り投げた。
「ほれ。・・・首尾の方はどうだ、甚平。」
「えーっ」甚平はフードを脱いでジョーを見上げた。「何で解っちゃったの?」
「解るに決まってるだろ。」
「なんでえ、やっぱジョーの兄貴は鋭いや。」
ジョーは笑った。
「残念だったな。で?まだこれから回るのか?」
「うん。・・・実は、次は兄貴んとこなんだよ。」
「健?」
「兄貴、くれるかなあ。いつも、オケラだと言ってごまかすからなあ。」
「甚平、一緒に行っていいか?面白そうだ。あいつがどんな反応するか見て
えし。」
「いいよ、ジョーの兄貴が一緒なら心強いや。」


2人は健のいる一軒家へ向かった。セスナ機が置いてあるのを確認すると
甚平はそっとドアの前に立った。
コンコン。
「はい、どなたー」
ドアが開いて、健が顔を出した。なので、甚平は手を広げて大げさに叫んだ。
「”トリック・オア・トリート”!お菓子くれないと、いたずらしちゃうそ!」
健はえーという表情をして頭を掻いた。
「またかー、うちにはそんなものー」
健は隣を見て叫んだ。」
「うわあっ、吸血鬼!」
「・・!?何?」
ジョーは健の胸ぐらをむんずと掴んだ。
「誰が吸血鬼だ?」
「・・く、くるしい~・・」
健は離されたので、ふうと息を吐いた。
「・・な、なんだ、ジョーか・・。脅かすなよ・・」
「脅かすなって、俺変装してねえだろ。・・ったく。」
「すまん、すまん。てっきり本物かとー・・・なあ、そんなに怒るなよ・・。」
「兄貴ー、お菓子はー?ちゃんと言っといたじゃないか、明日はハロウィン
なんだから用意しとけ、ってさ。」
「・・俺はそんな余裕ないんだ。」
「もうっ!バイトの金とか入ったんだろ、お菓子くらい買えるじゃんか。」
「・・そう言うなよ・・」
するとジョーはにやと笑った。
「よし、甚平。お菓子がないんなら、いたずらだ!」
「そっか!よーし!!行くぜ!」
2人はそう言うと、健の横をすり抜けて中へ乱入した。
「お、おい、待て!ジョー、何でお前まで。」
「俺を吸血鬼呼ばわりした仕返しだ。」
「だから、謝ったじゃないかー。・・2人ともやめー!」


そして健の家の中はとんだ騒ぎとなった。
外はいつの間にかどっぷりと日が落ちて、満月が地上を明るく照らし始めた。

やがて大きなコウモリがさっと飛び立ち、やがて闇夜へと消えた。
遠くてオオカミの遠吠えが聞こえた。


こうしてハロウィンの夜は更けて行ったのである・・・・・・・。



コメント

kisaraさん、こんばんは。
もう楽しく妄想させて戴きました。
ハロウィンフィクは考えていなかったな…。
子供らしい甚平とそれに乗るジョーがおかしい。(^艸^)
吸血鬼扱いされてるし。(笑)

楽しませて戴いてありがとうございました。

[ 真木野聖 ] 2013/10/31(木) 午後 10:17


こんにちは、聖さん

楽しんでいただけて光栄です
たまにはこんなバカ騒ぎもいいかな~と思って、思いっきりギャグ調にしました。
ハロウィンは特に何をするわけではないですが、なんだかウキウキしてきます。

[ kisara ] 2013/11/1(金) 午後 0:42

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