『花』
2013-05-04 Sat 11:07
スナックジュンのカウンター席にいた健は、ふと隅の方に目を遣った。
「あれ、ジュン。この花、どうしたんだ?」
奥の方にいたジュンは顔を上げてその先の花が咲いている鉢を見た。
「お客様から頂いたのよ。・・健?これずいぶん前からあったんだけど?今頃気づいたわけ?」
「えっ・・・・そ、そうなのか?」
ジュンはため息をついた。すると横から甚平が顔を出してこう言った。
「それ、一時枯れそうになってたんだぜ。でも、ジョーの兄貴が、可哀想だって世話してくれたんだ。」
「へえ、オラも知らなかったぞい。」
健の隣に座っていた竜はしげしげと花を見て言った。
「やだ、竜も知らなかったの?・・・これだから参っちゃうわ。」
「仕方ないじゃないか。枯れそうだったんなら尚更気づく訳ないよ。」
ジュンはふーんという表情をし、腰に手を置いて健を見た。
「あら、ジョーは気づいたわよ。誰かさんと違って。」
「そ、そうだ、ジョーと言えばあいつ、例のところだよな。ーちょっと行って来る。」
健はそう言うと立ち上がって出入り口に向かって歩いた。
「健!まだお代をもらってないわよ!ーもうっ、相変わらず逃げ足が速いんだから!」
「アニキはお姉ちゃんといるより、ジョーといる方が生き生きしてるかもね。」
「そうでしょうね。」
ジュンは奥へ引っ込んでしまった。甚平はそんなジュンを見て腕を組んだ。
「あれー、認めちゃうわけ?」
「だけど、意外だわー、あのジョーがのう。」
「うん。でもさ、案外そう言うところ、ジョーの兄貴ってあるんだよ。分かんねえのはアニキだよ。
あのトンチキは生まれつきなのかな?」
「そうかもしんないなあ。」
甚平と竜は笑い合った。ジュンはカウンターの上を拭きながら彼らにピシャリと言った。
「ほらほら2人とも、いつまでおしゃべりしてないで何か食べるか飲むかしてよ。」
「じゃあオラ、またいつもの頼むわ。」
「えっ、また食うの?もう5皿目だよ!」
「いいじゃんか。客はオラ一人しかいないし。」
「全くだわ。誰も来やしない。」
「それでも全然来ないよりマシだろ。」
「そりゃそうだけど・・・あー、そうだわ。ジョーに、仲間を連れて来てもらおうかしら。世に
知れ渡ったレーサーならきっと素敵な人たちだわ。」
甚平は、まるで夢見ているみたいにうっとりした表情のジュンを見てあっけに取られた。
「あれ、お姉ちゃん。アニキはどうすんのさ。」
「知らないわよ、あんな人!」
甚平と竜は顔を見合わせ、甚平は思わずこう言った。
「やれやれ、アニキ、当分ここへは来れないな。」

  
 
 

コメント

kisaraさん、こんにちは。
まだ仕事の合間です。(^_^;

わ~い、kisaraさんの新作だ~♪
と一気に読んでしまいました。

複雑な心境のジュンが可愛いです。
私ならジョーを選ぶなぁ♡
此処に来ていらっしゃる方は皆さんそうか…(爆)
ジョーは意外と繊細で、ちゃんと花に気付いて世話をして上げたのですね。
ネットで設定資料を読んだら、花を育てるのが好きだと言う設定がありましたものね。
kisaraさんが書かれた行動には頷けると思いました。(^-^)

ジュン、ジョーのレーサー仲間を紹介して貰った方がいいよ。
お店も繁盛するし、貴女にも素敵な彼氏が出来ちゃうかも?
な~んて。(笑)




2013/5/4(土) 午後 0:56



こんにちは、minakoさん。

久しぶりに書きました。やっぱり仲良しな忍者隊を書くのは楽しいです。
今回はジョーいませんけどね。

>私ならジョーを選ぶなぁ

そうですよね~。どうしてジュンはあんなの(失礼)好きになっちゃったのかしら。
なんて。健ちゃんはもう少し乙女の気持ちを勉強したほうがいいと思うよ~。

>花に気付いて

もし設定通りになってたらお花屋さんやってたりして(う~ん?)
でも昔は今と違って男子は男子らしく、ということで却下になったのかな?

>素敵な彼氏

トンチキじゃない人ね(笑)健ちゃんのやきもちが見られそうですね。

[ kisara ]


2013/5/4(土) 午後 6:15


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